竹の鼻は、八王子宿への入口にあたる。浅川を渡って200mぐらいのところに傍示杭が設置されており、ここからが八王子十五宿の最初、新町となる。 　絵は、竹の鼻から東方を見ている。遠くに見えるのが浅川、現在はいうまでもなく住宅地となっているため、この位置から浅川は見えない。 　竹の鼻には、船森と呼ばれる往古の森林があり、欅の大木が4・5本幕末までは残っていたという。 現在では公園となっており、「一里塚」の碑が建っているが、この地に一里塚があったのか。「宿村大概帳」「分間絵図」にも一里塚の記載はない。しかし、「武蔵名勝図会」には、「船森の中にあり。近世はその塚の上に稲荷祠を祀りたり」とある。 　左側の稲荷は、「永福稲荷」(家福稲荷)であり、土地の鎮守であるが、これがその稲荷のことだろうか。